going out no.1 with YUMIKO YASUOKA 小石川植物園の野点

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関口水神でお水を汲み、一幸庵でお菓子を買った(2回目連載)後は、小石川植物園へ向かいます。

色々なお花がちょうど満開だった





休日とあって、植物園には多くの人がお花見を楽しんでいました。
思い出すと、安岡さんの作品に出会ったのはこの植物園に来た時でした。展示をしているギャラリーが近くにあり、立ち寄ったことがきっかけでしたが、3年後、安岡さんと共に訪れる不思議な時間に。

野点の準備



安岡さんに作品についても伺いました。
作品に漂う、日々の木漏れ日のような時間の重なりがとても好きです。安岡さんにとっての生活や作る行為とは何かを聞きたいです。

>私にとって作品は、制作に向かう手や意識が生み出すのではなく、それ以外の時間の積層がつくるものだと思っています。

表現に感情を込めることはほぼ無く、描き手のそのような在り方は、大学で専攻した日本画の画法からも影響されたように思います。

自我を手放して作業に集中していると、冴え渡る五感の隙間に幼少期からのさまざまな記憶が去来します。それらは頬を撫ぜては離れ行く風のようであり、私もまた過ぎていく記憶を振り払うこともなければ、追いかけることもしません。過ごしてきた人生が、現象であったかのように漂白される瞬間です。

木漏れ日もまた、自ずと然るべき現象のひとつであると思うので、私の作品をそう表現していただけてとても嬉しく思います。

普段は会社員をしており、雑然たる日々ですが、ままならない都市生活もまた、私の作品をつくるためには欠かせないものだと思います。

道具を出します



茶托にする葉っぱを拾ってくれる



東京を忘れるほどの鬱蒼とした林



制作の背景を聞くと、安岡さんの作品表現が腑に落ちます。
作品そのものの素材感やその背景を含めて、同じ作り手として共感するのだと思います。
安岡さんの作品についてはgallery Aの下記HPから見ていただけます。

Yumiko Yasuoka | Gallery A

先生登場



植物園から池邉の中国茶の師匠 晴美さんも合流。晴美さんは京都拠点ですが、偶然東京に来ていたことから、野点の話をすると駆けつけてくれました。
20代後半からずっと側にいてくれる、まさに先を生きる人。
お茶や野点の楽しみを教えてくれた人です。



今回のお茶は烏龍茶の一種、鳳凰単叢を選びました。香りがよく、お茶の変化も楽しめます。
お道具も一緒に遊ぶ人のことを考えつつ選びます。

一幸庵の桜餅。美味しい和菓子でした



茶葉の香りを聞きます





最後に一緒に遊んだ中で印象的なことや場所はありますか?

>蕎麦屋から関口水神まで、他愛のない会話をしながらタクシーで移動した神田の街並み。

それから小石川植物園での野点で、何煎もお茶を楽しんだこと。うららかな春の午後でした。

あとは写真家の富澤さんの撮り方です。言葉では説明しがたいですが、ノールックで瞬きするかのようにさりげなく、あちこちで不意にシャッターを切る様子は、大好きな映画『ローマの休日』に出てくるカメラマンの隠し撮りを彷彿とさせました(笑)。

平和な日





TTMのお洋服を長く愛用下さっているお客さまが多くいます。
彼女たちが普段、それぞれの生活の中でどのようにTTMのお洋服と共に暮らしているか、改めて知れるような時間になりました。
お洋服の写真というのはイメージか商品が具体的に分かるようなものの2つに分類されるように思います。
数年着続けたお洋服がどのような風合いになっているか、またお洋服と共にどのように過ごしているか、購入後のその後の経過をドキュメント的に捉えてみたい、という裏テーマもありました。
とはいいつつ、美味しいご飯をご紹介いただき、大切な人々と一緒にお茶を楽しむ幸せな時間に。

記事を読んで下さった方も、機会がありましたら室町砂場や小石川植物園を楽しんでみて下さい。

帰りの白山駅のホームで。写真家の富澤さんに手をふって別れる

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